プティローブノアーをご愛用くださっているスタイリストさんやアーティストさんをはじめ、ご自身のスタイルをお持ちのみなさまをご紹介しておりますコーナー「styling file」
今回は「UNITED ARROWS」セールスプロモーション・楠岡令子さんにご登場いただきます。
ブランドのイベントや企画を担当し、ファッション・雑貨・モノがうまれるまでの背景やカルチャーを通して、様々なアイテムや価値を発信し続けている楠岡さん。UNITED ARROWSにて定期的に行われているpetite robe noireポップアップショップの企画も楠岡さんがご担当されています。
そんなファッションをこよなく愛している楠岡さんが、ファッションを楽しむために大切にしていることとは。お話をお伺いしました。
まずはじめに、 petite robe noire との出会いのきっかけをお聞きしてもいいですか。
楠岡さんpetite robe noireの存在を知ったのは、雑誌でしたね。『 petite robe noire デビュー!』って記事を雑誌で見かけて。
若いころからヴィンテージのモノがとても好きだったので「ただただ好き!」って思ったのを覚えています。
実際アイテムを手にしたのはUNITED ARROWSに入ってから。原宿本店に販売員として勤務し始め、そこで初めて手に取ったのですが「すごく好きだったこのアイテムを自分が販売できるんだ!」といううれしさと興奮でいっぱいになりました。
そこから月日が経って販売員からイベントの担当者として働き始めて、petite robe noireというブランドにも深く携わることができて、とても光栄です。
そう言っていただけて、私もブランドに携わるものとしてとってもうれしいです!
楠岡さんはUNITED ARROWSでのイベントを企画されている中で、ファッションだけでなく、音楽や食器、お花や絵画まで幅広いことに興味を持っていらっしゃる印象だったのですが、興味をもつきっかけはどんなところからうまれたのですか?
楠岡さん元々、音楽や写真、本だったりとか、子供のころから気持ち悪いくらい大好きで 笑
サブカルチャー世代で育っているので、中学生くらいから色んな事柄たちに囲まれて生活をしていました。ファッションと同じで、そういうカルチャーが当たり前のようにあったんです。その影響もあってファッションでも音楽でも、ひとつのモノが誕生した背景が気になってしまうというか…。
例えばコレクションブランドでも、ショーでかかっている音楽だったり、デザイナーが何に影響を受けていたのか、どんな環境で過ごしていたのかとか。背景を知ることで、そのブランドやアイテムたちにもっと愛情が湧いてくるんです。
どんどん深堀りをしているうちに、また新しい好きなモノにたどり着くんですよね。
(私物だというpetite robe noireのネックレス。)
わかります、自分で調べてたどり着いたものって、いとおしくて大事にしたくなりますよね。
楠岡さんそうなんです。あとは周りの物知りさんから「クスちゃん、きっとこういうの好きだと思うよ」って教えてもらうことも増えました。今は各ブランドをフューチャーするのが仕事でもあるので、「そのブランドが今はどんなことを発信しているのだろう」とか、その時の雰囲気も調べるようにしています。ファッショントレンドと時代背景って同じ風潮で関連性がありますよね。人の気持ちも少なからず反映されているだろうし。やはりいつもそこに興味がいってしまいます。
仕事でもプライベートでも、好きなモノに関してはまっすぐです。最近だとHarley Weirの写真がいいよって友人から聞いて、チェックしたらすごい好きな世界観で。ある時彼女がVOGUEの表紙を撮っているのを知って、それからしばらくは各国のVOGUEをチェックするのに夢中になり、ウクライナ版VOGUEを現地から取り寄せて購入までしていました。笑
ウクライナから!すごい情熱ですね。元々好きで大切にしていたものたちが仕事にもつながって…。
そのお話と、今日の楠岡さんのファッションからもそれが存分に伝わってきます。身に着けていらっしゃるものが楠岡さんの雰囲気にぴったりあっていて、すべてがおしゃれだなぁと。本日のスタイリングのポイントはありますか?
楠岡さん今日のポイントは2018AWのトレンドでもあるチェックです!あとは、私ベストが大好きでして…。今ではすっかり「my定番」になっています。スカーフとかベルトとかと一緒で、アクセサリー的な感覚で見につけることが多いですね。
(こちらも私物だというバングル。お洋服のクラシカルな雰囲気とマッチしていて、とてもお似合いです。)
楠岡さんから見たアクセサリーやコスチュームジュエリーってどんな存在だと思いますか?
楠岡さんハイジュエリーが身体の一部でお守りだとしたら、コスチュームジュエリーはもうちょっと香水をつける感覚に近くて、自分の気持ちを高揚させて、おしゃれをするためのものに近いです。
コスチュームジュエリーってムードがあるので、身に着けるときは主役に、そうでないときは愛でるような感覚というか…。絵画を見るときの気持ちと同じかもしれません。
アール・デコの時代のコスチュームジュエリーも、身に着けるものと同時にひとつの作品のような空気感がありますよね。
楠岡さんそうなんですよね。芸術的要素も強いと思うので、雰囲気と香りを纏う感じがしますね。
小物を変えるとスタイリングの見え方も全然違うので、人に与える印象を工夫したい時も活躍してくれる気がします。
UNITED ARROWSはファッション好きな人たちが多い会社なので、私はあえて冒険せずベーシックなスタイルを着ていることが多いんですけど、たまにワンショルダーの個性的な服を着て出社すると、みんな「わあ!」っていい反応をくれたりして。そういうイメージを変えるみたいなことも楽しくて。コスチュームジュエリーもそういう要素があると思います。
(職人の手仕事からうまれた耳飾りをご着用いただきました。)
楠岡さんと話していると、お洋服に対する尊敬の心を感じます。
楠岡さん若いころは馬鹿みたいにお洋服を買ってたんですけど、今はそういう感じでもなくなってきて、「いかに長く愛せるか」を基準にお洋服を選んでますね。
そうすると必然的に消費する感覚じゃなくなってくるんです。なんかこう、トレンドもSNSのおかげで早めに掴めるようになってきたけど、飽きるのも早いんですよね。流行の移り変わりは早いけど、そういうのって私にはフィットしない。
それは日頃、商品をうみだしている人たちと接しているからこそで、アイテムを所有することに責任と愛情を持ちたいし、たとえ値段が高いものだとしても、「10倍のクオリティの物を10倍着ればいいじゃん。それくらい長い年月を愛する!」って自信をもって購入しています。デザイナーとかものづくりをする人に対してのリスペクトですよね。
好きなものを永く愛せたら、それはもう宝物ですよね、きっと。
楠岡さんお洋服が楽しいのって、選ぶときの時間も含んでいると思うんです。販売員時代に一番感動したことが、ラフな服装をされていたお客さまがフィッティングルームに入って、スカートを試着されたとき。そのスカートにあうような靴を持って行って試着してもらったんです。
そうすると、一瞬で魔法にかかったみたいに姿勢がすらっと伸びて、表情も変わったんです。「わ~恥ずかしいな」って言いながらも、所作も美しくなって。それってすごいことだなって思って。ファッションのパワーをより体感して、「ファッションって最高!!」って改めて実感しました。その魅力をこれからも発信し続けられるといいな、と心から思います。
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ファッションアイテムだけでなく、うまれた背景とそのカルチャー両方を大切にする姿勢が、また新たな共感や企画をうみだしているのですね。
今回楠岡さんが着用してくださっていたアイテムはonline boutiqueよりご覧いただけます。
バングル:PRN3568
UNITED ARROWSにて開催予定のpetite robe noire販売会詳細はこちらからご覧いただけます。
楠岡さん、すてきなお時間をありがとうございました。
Reiko Kusuoka/UNITED ARROWS セールスプロモーション ブランドのイベントや企画を担当し、ファッション・雑貨・モノがうまれるまでの背景やカルチャーを通して、様々なアイテムや価値を発信し続けている楠岡さん。UNITED ARROWSにて定期的に行われているpetite robe noireポップアップショップの企画も楠岡さんがご担当されています。 Instagram@unitedarrows_official |